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間取りの話し

一昨年から1年半「ひらめきのタネ」というWebマガジンでコラムを書かせてもらいました。

ここのブログでも毎月再掲させて頂こうと思います。


5月は「間取りの話し」これもコロナ禍真っ最中に書いた文章です。

住宅の「間取り」について書いてみたいと思います。 専門的には「平面計画」と言ったり「プラン」と言ったりします。


玄関やリビングダイニング、寝室やお風呂などが、どの位置にあって、 どんな風につながっているか、住宅を設計するにあたって、最初に考えることのひとつです。


分譲マンションや建売住宅の場合、様々な家族が普通に暮らすことを想定しているので、 誰が住んでも問題がないようにベーシックな間取りを作る事が求められそうです。


道路に近い位置に玄関を置いて、南の光が入る一番条件が良いと思われるところにリビングやダイニングを配置する。

子供部屋は朝日が入る2階の東側が良いのではないか…など。 答えは自然と決まってしまいそうです。


私のように、設計を依頼された家族のためだけに間取りを考えるとなると、そう簡単ではありません。


そもそも設計士に住宅の設計を頼もうという方々は、建売やハウスメーカーの家では満足できないケースが多いのです。


住まい手によってイメージする間取りは千差万別、色々なリクエストが出て来ます。

「浴室と洗面室を明るく景色の良い場所に持って来たい」とか

「寝室はいりません、季節毎に気持ちの良い場所を探して寝ます」とか、ちょっと変わった要望、 一般的な考え方とは少し異なることも多々あります。

「洋裁室」とか「音楽室」とか「図書室」とか、趣味を楽しむ部屋を用意する場合もあります。

設計者としては、生活に不都合がでないことも考慮しながら、なるべくリクエストに応えて間取りを作っていきます。


住まい手が気が付いていない敷地の特性を考慮したり、経験から学んだ家づくりの知識などを織り交ぜ、喜んでもらえるような間取り作りが必要になります。


家づくりにおいて、住まい手が一番イメージし易い事が「間取り」かもしれません。 「間取り」がスタート地点となり、外観のデザイン、家具や材料、設備の仕様など、専門的な事に移ります。


間取りの打合せをしていると、住まい手が家に何を求めているのか、段々分かってきます。 住宅設計の仕事の面白い時間かもしれません。

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